会津絵ろうそくの歴史と現在

会津絵ろうそく

およそ500年前の宝徳年間、会津領主 芦名盛信公により漆樹の栽培を奨励され、漆器の製造と共に漆樹の実から蝋を採取し、ろうそくを作らせたことが始まりです。

その後、蒲生氏郷公などが近江国より技術者を招き熱心に改良をおしすすめ、またこの頃から絵が描かれる様になりました。

さらに歴代藩主の保護もあり民芸 美術品として発展いたしました。

用と美をあわせもつ絵ろうそくは、幕府への献上品、他藩へのお土産品として利用され、また諸国の大名に売ることで藩の財政を潤したといいます。

江戸時代まで、神社への奉納や上流階級の人の結婚式など特別な日に用いた貴重品でした。

結婚式には一対の絵ろうそくを灯したので、「華燭の典」なる言葉が生まれたとされています。明治時代になると生活の灯として庶民を支えてきました。

雪国会津では、花の咲かない季節に、絵ろうそくを仏壇に供える様になったとも言われております。

会津絵ろうそく祭り会津の人々が絵ろうそくに寄せる想いは今も変わりません。毎年2月、鶴ヶ城と御薬園を中心に市内各所にて約10,000本のろうそくを灯す「会津絵ろうそくまつり」が開催されます。

鶴ヶ城を照らすろうそくのやわらかな光が、訪れるものを癒し心を和ませます。

 

会津絵ろうそくの製作工程

会津絵ろうそくの制作工程を紹介します。

製作工程

1. 和紙に藺草の髄を巻き、灯芯をつくります。

製作工程

2. 繰り返し蝋を掛け、太くしていきます。断面は年輪のようになります。

製作工程

3. 下描きなく、一本一本、丁寧に描きます。

製作工程

4. 絵付け作業が終わったろうそくに、仕上用の蝋をくぐらせ、表面の絵をコーティングします。

製作工程

5. 上部を切り落として、灯芯を出し、仕上げます。